2009年 新春号|エマナックニュースバックナンバー

代表取締役社長 田中良典 より感謝を込めて新年のご挨拶

新春を寿ぎ謹んでご挨拶申し上げます。
まだまだ経験不足で未熟な中で現田中要会長よりバトンタッチを受け、社長就任後7回目の元旦を迎えることとなりました。ここに至るまでには、ねじ業界各社の方々、取引先、仕入先、その他関係各社の甚大なお引き立てがあってこそと、謹んで御礼申し上げます。

思えば、社長就任からのこの7年余りの時代は、自動車産業、家電産業をはじめとして、輸出型好景気に支えられ、国内製造業にとっては大変によい時代でありました。その中で、社長業の勤めを行うことはやや「易しい」ことだったのかもしれません。もしかしたら、未熟な私の甘い采配を案じて、天が助けを出していただいたのかもしれません。

この良かった時代の7年の初期訓練の時代を終えて、今、一転して製造業に吹く風は厳しく、そして本当の意味での社長としてのかじ取りが試される時期を迎えております。この時期をどう乗り切るのか、将来に向けてどのような会社を形成するのか、その大切な1年が今から始まろうとしています。その大きなポイントとなる内容を、この初春のメールニュースの中に盛り込み、皆様方へご提示させていただきます。何とぞ、忌憚のないご意見など頂戴できれば幸いです。

お客様とともに歩むエマナック

お客様製品の「品質維持向上」を実現する各種取組み

見えない景気の行く先の中で、しかしながらはっきりと見えているのは、「世界」という市場の中で必要とされるものとは「価値あるものだけ」であるということ。その価値を高めるための努力を今怠ってしまったら、その先に生き残ることはできないということです。

量産型プロダクトアウトの時代が一区切りし、今はあらゆる業界・業種ともに、この時代に勝ち残る価値を求めた製品の再構築の時期を迎えています。その中で、私たちの主たるお客様である「ねじ・ボルト・締結部品」のメーカー各社にも、今まで以上にエンドユーザー企業から締結の視点に関しての厳しい水準での要請が入ってくるでしょう。そうした時には、自社の経験だけに固執せず、ぜひともに『エマナック』にお声掛けいただきたいのです。

私たちは、これまでの経験と知りえる情報のすべてを使って、エンドユーザー各社から出てくる声の一つ一つを一緒に受けとめて考え尽くしたいと存じます。情報やノウハウだけではなく、新たな設備投資として、(1)生産工程に対するSEM(電子顕微鏡)、(2)振動試験機、(3)高度耐食性試験機の3点を該当工場に先行導入。新しい製品開発への共同支援体制を構築しております。

私たちの『Neji』を世界に知らしめる「バリューパートナー化」へ

今でもごく稀に、お客様の方から、「田中熱工はねじ・ボルト熱処理の技術者集団だとは思うが、経営のプロフェッショナリズムに欠けるのではないか?ある程度規模が大きくなって、1社1社のねじ・ボルトメーカーに対する付き合い方が薄っぺらくなったのではないか?」と厳しいご意見をいただくことがあります。誠に、このことは経営者として私の不出来な点を指し示していただいているありがたい言葉として受け止めております。

確かに、この数年間、私自らこれまでの取引先であるお客様を訪問する機会はずいぶんと減ってしまいました。従来、こうして取引先の訪問に使っておりました時間をこの数年間は、自動車業界、鉄道車両業界をはじめ、各業界の技術・研究者、経営者層の方々、あるいはアジアをはじめ世界の締結部品関連業界各社の方々とお会いし、「ねじ・ボルトの製造者として今何が必要であるのか」という基本的な情報を習得することに懸命になっていたことがその理由です。

ただしそれらは、決して無駄な歩みではありませんでした。業界大手、あるいは世界の製造市場を見てみる中で、私たちの高品質な「ねじ・ボルト」が世界の中でいかに求められているかを知りました。しかしながら、現実にはその製品の大半は世界には届いていません。

このことを理解する中で、私たち「エマナック・グループ」の今後の立つべき位置としても、日本の「ねじ・ボルト」を世界が認めるブランド力を有した『Neji』として知らしめ、世界へ広がっていく道筋をつくりだすことも必要であると理解しました。具体的には、エマナック・グループのWEBサイトをリニューアルし、世界企業からの「ねじ・ボルト・締結部品」開発や製造に関する情報を収集していく考えです。

私たちの『Neji』を世界に知らしめる「バリューパートナー化」へ‥‥これは大きなプロジェクトとして発起し、多くの「ねじ・ボルト・締結部品メーカー各社」と共同プロジェクトで推進していく計画です。

We Must Change!

変わらなければならない!(危機感を持て)

いよいよ、今年の3月には、株式会社エマナック東日本 杉戸工場がフル稼働オープンします。杉戸町の杉戸深輪産業団地に位置する、敷地面積2008.69平方メートル、床面積1169.95平方メートル(一部事務所)の2階建ての本工場は、調質(ボルト・ナットの焼入れ、焼戻し)を行います。これにより、今後は関東エリアのみではなく、東日本全土を満面にカバーできる体制が整いました。

京都(亀岡市)の株式会社田中熱工京都工場が西日本全体をカバーし、杉戸工場が東日本をトータルにカバーすることで、ようやくエマナック・グループとして、国内全土へのボルトメーカー各社への熱処理対応が可能となります。もちろん、こうした設備投資の成否は、その適切な稼働があってこそ認められるものです。

昨年の11月ごろからの自動車業界の減産推移の中で、京都工場においては稼働時に比較して受注量の減少がみられます。杉戸工場のスタートにおいても、こうした状況は続くかもしれません。しかしながら、私たちの考えは、こうした時期こそ、私たちエマナック・グループの真価は問われる最良の時期と考えています。

黙っていても仕事は来ないという状況だからこそ、これまで蓄積したノウハウや情報をもって、お客様に役立つ一助を担えるかどうか、そのための行動に社員全員が出られるかどうかであると考えています。いかに先を見た投資をしたとしても、その組織を構成している社員が、その投資に依存して生きているだけであれば、それは先のない会社です。そうではなく、投資を取り返す、あるいは投資を超える組織の活性化をしていくこと、それこそが投資に見合う本当の真価であると私たちは考えているのです。

最後に

上記にも述べましたとおり、世界経済が未曾有の危機に見舞われる中、円高の急速な進展とも相まって、これまで産業を牽引してきた自動車、家電、その他の業界が減速し、先の見えない状況の中で年が明けることとなりました。私たちエマナック・グループもまた、「ねじ・ボルト・締結部品」における熱処理・表面処理の領域でのトップカンパニーを目指す中で、この数年は大きな設備投資を行い、こうした製造各社の需要に応えるべく事業拡大を図ってきましたが、これからはそうした右上がりの成長軌道は期待すべきではなく、むしろ適切な経営のための事業再構築の時期になっております。

しかしながら、同様に、日本の「ねじ・ボルト・締結部品」こそが、世界の製品品質を高め、世界産業の進展と未来への経済発展へと結びつける「基軸製品」であるとの認識を強く持ち、この時期にこそ果たさなければならない役割があるとの認識で、「ねじ・ボルト・締結部品」の業界各社に対して、できる限りのご支援と努力を行っていきたいと切に願っております。

これまでの当社の取り組みや、過去におけるいくつかの出来事の中で、経営者も含めました当社の未熟さからご満足いただくことができず、今において取引ができていない方々におきましても、今一度新たなエマナック・グループの全身全霊の姿勢をもってお会いし、「必ずや実現できる」を共通のテーマとして、過去の問題点の解決に向けた取り組みを行わせていただきたいと存じます。ぜひともに、この1年間のエマナック・グループの取り組みに、ご支援またご指導のほど、お願い申し上げます。