2007年 初春号|エマナックニュースバックナンバー

田中@社長からのご挨拶

初春の候、時下ますますご清祥の段、お喜び申し上げます。
皆様にとりまして、昨年はどのような年でありましたでしょうか?そう言えば、世間ではあまり良いニュースは少なかったような気がします。中でも、犯罪の若年化は大きな問題として持ち上がってきました。暴力、いじめ、殺人‥日々TVや新聞で騒がれる子供たちの悪逆ぶりが、よくあるニュースとして心にも残らなくなっていくほど当たり前のことのようになってきた感があります。

子供たちの問題は、言わずもがな親の責任でもあります。豊かな時代に何不自由なく育った今の大人たちは、自分の子供たちに対して「苦労」や「忍耐」を教えることが乏しかったのでしょう。あるいは法律や社会保障で守られた世の中で生きて「権利ばかりを主張する」あり方を享受し続けてきたのかもしれません。私も、数年先には成人を迎える子をもつ親の立場から、さらには田中熱工という会社を興した父に育てられた子の立場から親子のあるべき関係を考えることが多くあります。

父は、私に対してこれまで「会社の継承」について多くを語りませんでした。逆に私は、そんな無口な父の姿から、これからの田中熱工(エマナックグループ)はいかにあるべきか考えることを余儀なくされました。今回は、初春の段にあわせ、過去の田中熱工という会社を私なりに振り返り、今後のエマナックグループがいかにあるべきかを皆さんにお伝えしていこうと思います。

父が興した「田中熱工株式会社」という会社

父が田中熱工株式会社を創業したのは昭和43年のこと。私はまだ5歳ぐらいの子供でしたから、その時のことはよく覚えていませんが物心ついた頃から父の工場にはちょくちょく出入りしていた記憶があります。熱処理の工場ですから、小さな子には危ない箇所がたくさんあるのでしょうがあまり父には「危ないからダメだ!」とか言われた記憶はないですね。きっと、父も幼い私のことを危なかしいとは思いながらも工場に親しんでいる姿をマイナスには捉えなかったのでしょう。

当時から、田中熱工という会社は、「ねじ」をはじめとする金属製締結部品の熱処理に専門特化した操業を行ってきたとのことです。これは、父の今で言う「マーケティング戦略」であったらしいのですがこの業界をターゲットとした動きをしてきたのは当時の熱処理業の中で、ねじ部品を専門的に取り扱うという会社はなく、かつまたどの熱処理会社も取り扱うその他の金属加工品と比較してねじという部品は処理が細かく、また技術的にも特化しておりどちらかというと、「やりたくなかった」というのが本音だったと。そこから、熱処理会社の営業の対応も高飛車で、ねじメーカーの方は、お願いして「焼いてもらう」という図式であったとのことです。

父は、こうした熱処理業の体質を前職に居た熱処理会社での経験で知り、「焼いてやる」ではなく、「焼かせていただく」の企業姿勢になることでこの業界で1位になることができると確信したと話してくれてことがありました。このお客様に対する企業姿勢は、今もなお田中熱工やエマナックグループの支柱となっています。日本が高度成長していく流れの中で、ねじ業界も拡大の一途をたどり、ねじ部品に対する熱処理の需要も向上することで、田中熱工は拡大をしていくのですが、当然競合他社も現われます。

そうした時代においても、父が何より心血を注いでいたのはお客様に対する企業姿勢でありました。競争相手にはできないサービス、お客様満足を考え、考動する‥お客様の経営者ご子息の就職先の面倒を見ることもよくあることでした。病気になられたと聞けばお見舞いに行き、身内にご不幸があればどんな重要な仕事があろうが放り出して駆けつける。大学を卒業して田中熱工に入社したての私は、当時の父の姿を見て、「経営者とはここまでやらないといけないのか‥」とためらいをもったこともありました。

しかしながら、そうした一つひとつの事項の積み重ねから「田中熱工」の信頼性は高まってきたと今は確信しております。もちろん、それはマインドの部分だけではありません。締結部品業界の品質レベルや技術水準が向上するに先立って、田中熱工もその技術向上に大きな投資を行い業界をサポートしてきました。

「お客様が求めているものは、どのようなことでもする‥」父が私に言葉ではなく、行動で示してくれたものそれは、経営者としての「信念」であったと思っています。

創業力の「田中熱工」から、総合力の「エマナックグループ」へ

2007年という年は、私たちエマナックグループにとりまして創業力の「田中熱工」から、総合力の「エマナックグループ」となるべく本当のスタートを切る記念すべき年になります。従来から進めてきた@金属熱処理、A表面処理、B塗布加工の3分野で、その対象も、「ねじ主体」から、『ねじ・ボルトその他締結パーツ類全体』へ拡大し、そのエリアも、関西・中京・関東を網羅する全国のお客様に対して納品できる製造・物流体制を敷くことが可能となりました。

☆ 昨年10月「株式会社タナカプリコート名古屋工場」開始
☆ 今年 3月「株式会社田中熱工京都工場(ボルトの無酸化焼入焼戻し)」開始

さらにはまた、次代に向けた先行投資として、中国市場に着目。欧米や日本のような「環境規制社会」への進展をにらみノンクロム防錆表面処理である「ジオメット®処理」を行う『愛瑪納克(東莞)高級五金件有限公司』(エマナック(トンガン)コキュウゴキンケンユウゴンコンス)を中国広東省東莞市に開始しました。ここでは、中国に進出した日系や欧州系の自動車部品、建材、家電部品メーカーから、ねじをはじめ、締結部品等の加工受託を行います。

ねじ・ボルト・その他締結部品を製造・加工される国内外の企業様にすべての後処理加工を一気通貫に受託できる体制が今ここにスタートしようとしています。これに伴い、技術陣のレベルアップはもちろん、営業マンの総合提案力を高める教育にも注力。大手企業様の要求水準に対応できるコンサルティング型の営業マン養成を目指して、外部講師や研修会などの参加も積極的に行っています。しかしながら、そうした『総合力』の向上とあわせてこれまでの『創業力』での最大の強みであったお客様のご要望をどこまでも聴き、誠心誠意お応えするお客様本意の姿勢を忘れてはいけません。

今もなおありがたくもお付き合いいただける既存のお客様方にけっして不満足な会社にならぬよう、身を引き締めてのお付き合いの心、何より大切にしてきます。何卒、第2の創業をスタートさせた「エマナックグループ」をご支援・ご指導ください。